カヌレ型をシリコンで焼くコツ|温度と焼き時間の手順
この記事の要点
- 天板ごと240℃程度で予熱し、下火を強く当てて焼成する
- シリコン型にはバターを厚めに塗り冷やして白抜けを防ぐ
- 高温20分・中温45分程度の二段階焼成で外側を香ばしくする
カヌレ型にシリコン製を使う場合でも、220℃前後の高温でしっかり予熱し、下火を効かせて焼成すれば外側を香ばしく焼き上げることが可能です。熱伝導率が金属より緩やかなシリコン型は、下準備での油分塗布と段階的な温度調節を行うことで、焼きムラやクラウン(頭頂部)の白抜けを防げます。
伝統的なカヌレは銅型と蜜蝋(みつろう)を使って焼かれますが、シリコン型はお手入れのしやすさや型の外しやすさから、家庭での製菓で広く選ばれています。一方で「焼き色が薄くなる」「外側が柔らかく仕上がってしまう」といった仕上がりの差に悩む場面も少なくありません。この記事では、シリコン製のカヌレ型を使って理想の焼き色と食感を引き出す具体的な手順とコツを整理します。
カヌレ型におけるシリコンと銅型の違い
カヌレ作りにおいて型選びは、焼き上がりの外側(クラスト)の厚みと香ばしさを左右する重要な要素です。シリコン型と金属製(銅やスチール)の型には、熱の伝わり方に明確な違いがあります。
熱伝導性と焼き色のつき方
銅は熱伝導率が非常に高く、オーブンの熱を生地へ一気に伝えるため、短時間で表面をキャラメリゼして厚くカリッとした層を作ります。一方、シリコンは熱伝導が穏やかです。そのため、金属型と同じ温度設定で焼くと、外側に十分な焼き色がつく前に内部に火が通り過ぎてしまい、全体が白っぽく柔らかい仕上がりになる傾向があります。
シリコン型でしっかりとした焼き色をつけるためには、最初の段階で高めの庫内温度を保ち、型の周囲に熱を行き渡らせる工夫が欠かせません。
取り扱いやすさと手入れの手間
熱伝導の面では工夫が求められるシリコン型ですが、扱いやすさにおいては優れた長所を持っています。金属型のように焼き上がりの型離れに苦労することが少なく、裏側から軽く押し出すだけで滑らかに取り出せます。また、使用後に洗剤で丸洗いできるため、衛生管理が容易です。
食器や調理器具の安全性基準については厚生労働省の食品衛生法に基づく器具・容器包装の規格基準に適合した製品を選ぶことが基本となります。耐熱温度が230℃から250℃程度まで対応している製菓用シリコン型であることを必ず確認して使用してください。

- 11. 庫内と天板の予熱
天板を入れた状態で設定より高めの約240℃でしっかり予熱します。
- 22. 高温での焼き始め
220℃〜230℃で15〜20分焼き、外側に薄い膜を作ります。
- 33. 温度を下げて焼成
180℃〜190℃に落として40〜50分じっくり焼き込みます。
シリコン型で失敗しないための焼成温度と時間
シリコン型で外側をカリッと焼き上げるための具体的な焼成手順を解説します。オーブンの機種や庫内容量によって熱の回り方は前後するため、状態を見ながら微調整を行ってください。
1. 庫内と天板の予熱
オーブンは設定温度より20℃ほど高めの240℃程度で予熱を開始します。このとき、型を乗せる天板も一緒に庫内へ入れて熱しておきます。あらかじめ天板を熱くしておくことで、熱伝導が緩やかなシリコン型の底面(カヌレの頭頂部)に素早く強い下火を伝えることができます。
2. 高温での焼き始め(約15分〜20分)
予熱完了後、生地を注いだシリコン型を手早く天板に乗せ、220℃〜230℃の温度で15分から20分ほど焼きます。この初期加熱によって生地の表面が沸騰するように泡立ち、外側の薄い膜が形成されます。
3. 温度を下げてじっくり焼成(約40分〜50分)
表面が固まり始めたら、温度を180℃〜190℃に落とし、さらに40分から50分程度じっくり焼き込みます。内部の水分を適度に残しながら、キャラメル化を進めて深い褐色に仕上げていきます。トータルの焼成時間は55分から70分がおおよその目安です。
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オンラインショップを見る →シリコン型でよくある失敗とその対策
シリコン型を使って焼く際によく見られるトラブルには、明確な原因があります。失敗のパターンを把握し、事前の準備で防ぎましょう。
頭頂部が白くなる「白熱化」を防ぐ
カヌレの頭(型の底部分)だけ焼き色がつかず白くなってしまう現象は、シリコン型で最も起こりやすい失敗です。これは、生地が膨らんで型の底から浮き上がってしまい、熱が直接伝わらなくなることで起こります。
対策として、型にはバターをしっかり塗り、一度冷蔵庫で冷やし固めてから生地を流し込みます。また、焼成の初期に天板を下段に配置し、下からの熱を強く当てる配置を意識してください。
外側がふにゃふにゃになる場合の対処
焼き上がり直後はカリッとしていても、冷めるとすぐに全体が柔らかくなってしまうケースがあります。これは生地内部の水分が外側に移行してしまうためです。
シリコン型からカヌレを取り出したら、すぐにケーキクーラー(網)の上に乗せ、蒸気を逃がしながら粗熱を取ります。湿気がこもるのを防ぐことで、外側の硬さを保ちやすくなります。なお、焼き上がりの食感や生地の膨らみ方には、粉の吸水率や室温などの環境により個人差があります。

もっちりした食感を楽しむカヌレの魅力
外側の香ばしさと対照的に、内側のカスタードのようなもっちり感を楽しむのがカヌレの醍醐味です。シリコン型を使って家庭で作る際も、配合や温度を試行錯誤しながら、自分好みの食感を追求する楽しさがあります。
東京都練馬区の中村橋にある工房「CAKE LAB 真」でも、食感のコントラストにこだわった「モチモチカヌレ」を焼き上げています。米粉と小麦粉を独自の比率でブレンドし、きび砂糖の優しいコクを合わせた生地は、外側の心地よい歯ごたえと内側のもっちりした弾力が特徴です。ご家庭で焼き菓子を焼く合間に、職人が仕込む異なる食感のカヌレを味わってみたいときは、オンラインショップのラインナップもぜひ覗いてみてください。
よくある質問
- Q. シリコン型に蜜蝋は使えますか?
- A. 使えますが、家庭では無塩バターのみでも十分綺麗に焼き上がります。蜜蝋を使う場合は型の耐熱温度に注意してください。
- Q. カヌレの頭が白くなってしまう原因は何ですか?
- A. 生地が膨らんで型の底から浮き、熱が伝わらないことが原因です。天板を下段にし、下火をしっかり利かせることで改善できます。
- Q. 焼き上がったカヌレが柔らかいときはどうすれば良いですか?
- A. 焼き上がったらすぐに網へ移して蒸気を逃がしてください。食べる直前にオーブントースターで2〜3分温め直すと外側の食感が戻ります。
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